奇妙で巧妙で興味深い男たち
月日と共に価値が高まる仕事
奇妙だ。創り出す家のセンスも違う、仕事への信念も違う、重んじる技術も違う。なのに彼ら建築屋5人が毎月集会を開くようになってもうすぐ1年になる。
一人ひとりにガチンコで話を聞くと、彼らは共通して「家を育てる」かのような感覚を持っていることが分かった。普通年月が経つにつれ、モノというものは古くなり、痛む。しかしそれを古くなったから壊すのか、それとも直しながら愛情を深めていくのか、では大きな違いがある。彼らは言うまでもなく後者だ。月日と共に価値が高まるモノづくりこそ、本当のエコロジーではないか。
そして彼らは人をねたんだりしない。人を裏切らない。何かに愛情を注ぐという人間性にブレがない。それは自分の仕事に誇りを持ち、仕事を楽しんでいるからだ。だからこそ同業者でありながら、互いを認め合って集会を開けるのだ。
創樹会の目的は、お互いへの依存でもなく、表面的な助け合いでもなく、傷の舐め合いでもない。創樹会は強烈な個性と信念、いいものへの果てしない憧れを持った5人が互いを高め合う、奇妙で巧妙で興味深い集団である。