究極の普通へ
於 京都府産木材展示施設 持参物 ランドセルとか
(京都府産木材認証制度運営協議会 事務局 京都府温暖化防止センター様)
地域社会が健康であるために
京都府下で育てられた木材が一堂に集まる展示施設がある。そこで出会ったのは、20代の若者だった。彼が所属するのは地球温暖化対策をはじめ、山の整備保全、林業振興を目指し活動するNPO。京都府産木材認証制度の普及に尽力する彼の瞳は本物だと感じた。それこそ、社会のバランスをとる活動だからだ…その時私は、以前メンバーの一人が言ったことを思い出す。
「普通、が一番ええんとちゃうか」
建築で例えるなら、昔の家はすきま風の寒さがある反面、シックハウス症候群は存在しなかった。住むと病気になる家は、少なくとも普通とは言えない。仮に健康こそ普通とするなら…その普通が永遠に続くことが、幸福そのものではないだろうか。
建築を地域や社会に置き換えれば、「普通」の持つ本質の重要性は見えてくる。昔は良かったと嘆くよりも、究極の普通へと進化しよう。とはいえ、学び終えたばかりの創樹会には、ランドセルを落とさない程度のバランスしか、まだとれないのだが。